モアレ技術によるインフラ構造物の変位測定

マーカを橋にセットするだけで、デジタルカメラで橋梁のたわみを早く、安く、正確に計測できます。センサではなく、格子パターンを印刷したマーカ板を橋に設置するだけです。従来技術では橋の下が川、鉄道、道路の場合はカメラ位置の確保がしにくいためモアレ計測が困難でしたが、産総研で開発したモアレ技術は、橋の下の状況に関わらず、橋軸方向からの撮影で、たわみ計測が出来るのが最大の利点であり特許化されています。橋のたもとに置いたカメラからの橋軸方向でのマーカ撮影であるならば橋の下がどうであろうと関係ないからです。

この利点を生かし、市販のネットワークカメラを橋のたもとに設置して、橋脚の変位を常時監視するクラウド型システムを新たに開発しました。

昨今の豪雨災害で鉄道橋の橋脚の根元が削られて傾く事例(洗堀)が見られるようになったからです。自動追尾型トータルステーションを用いる場合と比べてコストパフォーマンスが高いのが特徴で、異常が生じたときにカメラ映像で現場の状況を見ることができる利点もあります。

また、この常時監視システムは鉄道レールの監視にも使うことができます。

つまり営業線のレールの真下に管を通したり、あるいは営業線の近くで工事がある場合には、それらの工事に影響されてレールに「軌道狂い」が生じていないかを常に監視する必要があります。弊社システムは、この計測作業を自動化し、異常が生じたときはメール発報できます。このレール変位計測は、人手による計測に比べて常に1ミリ以下の誤差で実現できることが矢作建設工業様との実験で示されています。